米沢嘉博記念図書館報

明治大学/米沢嘉博記念図書館からのお知らせなどをお送りいたします。【開館日】平日(月・金のみ)14:00-20:00 土・日・祝12:00-18:00 【休館日】火・水・木、年末年始、特別整理期間

「紙資料から見るコミックマーケット展」が開催中です

●どんな展示なの?
ただいま1階の展示室にて「紙資料から見るコミックマーケット展」を開催中です。
今年の夏には4日間で73万人が参加したコミックマーケットを支える「紙資料」に注目した展示です。
コミックマーケットは主に同人誌を作って持ち寄るイベントですが、今回は同人誌ではなく、催しを支える紙……たとえば申込書や歴代のカタログ、コスプレする人へのルールを説明したガイドなどなどを展示、解説しています。

 

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●どんな資料があるの?
まだカタログが無かったころのプログラムパンフレット、カタログ、2006年まであった委託コーナーのパンフレットや、参加申込書や出展サークル専用通行証の移り変わりなど、紙の資料を大小あわせて約100点以上を展示しています。

例えばサークル参加の申込書は……
第16回(1980年)の申込書では、ジャンルはマンガかアニメの2択でした。
それが第29回(1985年)のジャンルはマンガ、アニメ、その他(マイコン、フィギュアなど)に分かれ、
第55回(1998年)になるとさらに細かく分けられ、その中でもゲーム(格闘)とSNK(格闘)が分けられるほど格闘ゲームが流行していたことが伺えます。
ジャンルの変遷を追うと参加者が増えていった様子、また当時同人誌を作っていた人たちの流行も読み取れます。

あわせて、カタログの表紙を飾ったイラストの原画やポスターなど、ここでしか見ることのできない華やかなコーナーも!

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●今回の展示を見る3つの視点
この度の企画展示の開催にあたり、3つのことを考えました。

★時代を感じる
コミケには長い歴史があります。
 「私が参加しはじめたのはこの頃だな」「この時代のことは知らないなぁ」など、紙面を通じて“あの頃”との再会、また知らなかった時代との出会いが楽しいです!

★工夫を見つける
いまではたくさんの人が集まるコミケですが、第1回目は32サークル、参加者数は推定700人でした。
そこから44年。4日間73万人が集まるイベントになっていく途中には、さまざまな出来事がありました。
けして一足飛びに巨大イベントになったのではなく、その時々の参加者が協力し合い、試行錯誤して築き上げてきた工夫の足跡を紙資料から読み取ってみて下さい!

★多様さに驚く
長く、たくさんの人たちが繋いできたコミケはいまも続いています。
それにまつわる資料はとにかく多種多様でバリエーションも豊か!
あなたの知らないコミケの一面を発見することができるのではないでしょうか。
過去を知ることで、新たな発想に繋がるかもしれません。


「好き」「作品を描きたい、作りたい」という気持ちの人がこんなにも多く、長く参加し、その人たちが「次も参加して作品を並べたい!」と楽しみにできる場を作り続けるときに、どんなことが起こってきたのか……。
 毎回「次の参加にはどんな新刊を作ろうかな」「次のコミケでどんな同人誌と出会えるかな」と期待を寄せることができるのは、参加者の希望のともしびでもあると思っています。


記録し、それを繋いでいくことの積み重ねの素晴らしさをひとつのイベントの紙資料から感じていただけたらと思います。

 開催は11月4日まで。


■紙資料から見るコミックマーケット展
■会場:米沢嘉博記念図書館 1階展示室 (東京都千代田区神田猿楽町1-7-1)
■期間:2019年9月6日[金]~2019年11月4日[月・祝]
※火・水・木曜日(祝日の場合は開館)、11月1日は休館
※特別整理などで休館する場合があります。
  当館HPで確認、または開館日時に電話にてお問い合わせください。

 会期
 前期:9月6日(金)~9月30日(月)
 後期:10月4日(金)~11月4日(月・祝)