冊子『マンガ原画整理に関する報告書 三原順原画を中心に』が完成しました
当館は文化庁委託事業の2つに協力しています。
1つは、国内外の各施設と連携して寄贈マンガの複本活用、人材育成を目的とした「国内外の機関連携によるマンガ雑誌・単行本等資料の連携型アーカイブの構築と人材育成環境の整備に向けた準備事業」。
もうひとつは、マンガ原画の保管への取り組みです。
2018年度は「マンガ原画に関するアーカイブ(収集、整理・保存・利活用)および拠点形成の推進」という名称で実施されました。
「マンガ原画に関するアーカイブ(収集、整理・保存・利活用)および拠点形成の推
進」は各施設(京都国際マンガミュージアム、北九州市漫画ミュージアム、一般財団法人パピエ(谷口ジロー版権管理団体)、横手市増田まんが美術館、東洋美術学校)が連携しておこなう中で、当館はマンガ家、三原順先生の原画の整理・アーカイブ化を手がけ てきました。
三原順先生と言えば、『はみだしっ子』など多くのファンを得、1995年に42歳で没した後も熱く支持される作家です。
2015年には「三原順原画展」を開催したこともあり、先生が遺された原画を当館で整理しています。
(2015年の展示「~没後20年展~ 三原順 復活祭」の様子)
今回は、事業をもとに当館で作成した冊子『マンガ原画整理に関する報告書 三原順原画を中心に』のポイントを3点ご紹介します!
1、マンガ原画の整理、保管について具体的な方法が載っている!
ぽろぽろはがれやすいセリフの写植を無くさないために1枚ずつ透明な袋に入れること、のちのち原画を活用できるように整理カードを作っていることなど、具体的な方法や、道具は使用したメーカー名までを掲載しました。
2、三原順先生の故郷で眠っていた原画が見つかった!
北海道で長らくご友人によって保管されていたカラー原画18枚を確認し、当館で保護用のマット紙をかけるなど、処置を行いました。
雑誌『花とゆめ』で使われながら、いままでどこにあるのか所在不明だった表紙原画やカットが発見されたのです。
3、原画18点を現在の様子のまま掲載!
新しく所在が確認された18点の原画すべてをカラーで掲載しています。
セロハンテープが劣化したと思われる茶色の跡も生々しく、そして枠外に残る先生の試し描きの跡など、長き眠りから覚めた原画の「今」を見ることで、三原先生の魅力とマンガ原画を保存することの重みを感じていただけたらと思います。
また、内容の多くは「マンガ原画に関するアーカイブ(収集、整理・保存・利活用)および拠点形成の推進」の平成30年度 報告会レポート・実施報告書としても公開されています。
「マンガ原画に関するアーカイブ(収集、整理・保存・利活用)および拠点形成の推進」の平成30年度 報告会レポート・実施報告書はこちら
https://mediag.bunka.go.jp/article/article-14894/
冊子『マンガ原画整理に関する報告書 三原順原画を中心に』は現在、当館の2階閲覧室にて、お手に取ってご覧いただけます。(販売はしておりません)
当館にお越しの際はぜひご覧になって下さい。
そしてこの度、新しく所在が確認された18点の原画を中心に、当館で「三原順カラー原画展 ~札幌からようこそ~」の開催が決定いたしました!
2019年6月からの展示もどうぞお楽しみに。
詳細はこちら!
https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-miharajun-color.html
〒101-8301
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